ターミナル

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人の情や心の繊細さを見事に描いた素晴らしい映画

2004年製作  アメリカ  129分

監督

スティーヴン・スピルバーグ

キャスト

トム・ハンクス  キャサリン・ゼタ=ジョーンズ      スタンリー・トゥッチ  ゾーイ・サルダナ  クマール・パラーナ  ディエゴ・ルナ  バリー・シャバカ・ヘンリー

 

撮影ロケーション・情景

ニューヨーク 空港  jazz・ナイトクラブ

 

 

 

ターミナルのあらすじ

 

ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港での入国審査で、要注意者として入国拒否をされ足止めを食う一人の男がいた。クラコウジア人のビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)である。彼の母国クラコウジアは彼が空港を飛び立った直後に軍事クーデターが起こり、クラコウジア政府が事実上消滅してしまい彼の持っているパスポート、ビザはすべて無効となってしまっていたからである。それによりビクターは事実上無国籍者となってしまい、クラコウジアの新たな政府が国交を結ぶまでアメリカに入国する事も母国に引き返す事も出来ない状況に陥ってしまった。

ビクターは税関国境保護局主任のフランク・ディクソン (スタンリー・トゥッチ)に呼び出され、この問題が解決されるまで国際線のトランジェット用ラウンジで過ごす様ディクソンに指示された。ビクターに手渡されたのは食堂で使えるクーポン券、そして15分使えるテレホンカードに保護局職員からの呼び出しの為のポケベルだった。この日からビクターは空港内での生活を始める事になる。

ターミナルから出る事の出来ないビクターはバスローブでラウンジ内をうろついたり、トイレの洗面台を風呂代わりにするなど、なりふり構わずな生活を送っていた。ビクターを監視する保護局主任のディクソンは税関国境保護局の次期局長を狙う男で、もし空港内で問題が起きれば自分の出世に影響する事を懸念し、ビクターに敢えて警備体制の盲点を教え、彼が自ら逃亡を謀るよう嗾けた。しかし真っ正直なビクターは律儀にも空港内に留まる事を止めなかった。

最初に彼を苦しめたのは空腹である。保護局から貰ったわずかなクーポン券も底をついてしまった。ある日ビクターが腹をすかせフードコートに立ち尽くしていると、ひとりの女性が手荷物カートを返しに来た。その様子を見ていたビクターはカートを1台返却すると25セントが戻る事を知った。するとビクターはラウンジ内に散乱するあらゆるカートをかき集め、やっとの想いでハンバーガーを1つゲットした。

ある晩ビクターが改装中の建物内を歩いていると、タグ車に乗ったエンリケ・クルズ(ディエゴ・ルナ)が「話がある」とビクターに声をかけた。エンリケは入国審査官ドロレス・トーレス(ゾーイ・サルダナ)に恋心を抱いており、、彼女の情報をくれたら食事を提供するとビクターにもちかけた。ビクターは当初から入国できない理由を理解できていなかったため、何度もドロレスのもとに入国申請を出しに足を運んでいたからである。

ビクターは早速ドロレスのところに向い彼女からありとある情報を聞きだした。彼女の男性遍歴や元カレと別れた原因など、色々な情報を聞きだしエリンケに伝えた。ビクターはその見返りとしてエリンケからこっそり機内食を分け与えてもらう。

味をしめたビクターはさらに情報を聞き出そうとドロレスの所に足を運ぶが、執拗なビクターの行動に、誰の指示による“サグリ”なのか解明しようとビクターに詰め寄った。

しかし丁度そこでビクターのポケベルが突然鳴った。ビクターが急いでディクソンのいる保護局の事務所に行くと、なぜか豪華なハンバーガーがビクターのために用意されていた。しかし彼の空腹は満たされていたため食べなかった。ディクソンはビクターに「空港から出られるいい方法がある」と切り出した。祖国に戻る事を恐れる外国人は法で保護する事ができ、緊急国外退去措置の対象となって移民局裁判ができるので、その手続きをお膳立てしてやるというものだった。しかも裁判が終わるまでの間、ニューヨークへも自由に行き来できるという。しかし、あまりにも擁護を求める数が多いため、実際には法廷に呼び出されるまでに半年かかるというものだった。

そこでディクソンはビクターに「この質問に適切な回答する事ができれば今夜にでも空港から出られる」と前置きし、「母国に戻るのに恐怖心があるか?」という質問をした。ビクターがそれに「イエス」と答えれば緊急国外退去措置の対象となりビクターを空港から退去させることができるからだ。ビクターが空港から出ていきトラブルを回避できれば次期局長のイスを狙いやすいと考えたからである。しかしビクターは「ノー」と答えた。

 

 

 

ターミナルのレビュー・感想

 

物語のシチュエーションが全て空港内という設定のためか、この映画を絵面(えづら)で観ようとするとたぶんつまらなくて寝てしまうかも知れませんね。

僕がこの映画を初めて観たのがニューヨークに向かう飛行機の中で、眠さのあまり映画に集中できず、面白いとは思わなかったというのが僕の最初の印象でした。

しかしこの映画の監督はというと、あのスティーヴン・スピルバーグ様。伊達に映画を作っちゃいません。ちゃんと観れば、人の情や人間の心の繊細さを見事に描いている素晴らしい作品である事がよく解ります。以来、この映画は何度も観ました。

旅行にせよ、片言の英語のスキルしか持っていない状態で海外に行くと、自分の意図する事が全く通じず、嫌な思いをする事が多いですよね。だから英語なんてほとんど喋れないのに、それを隠そうとして虚勢を張ってしまうという経験が僕にもありましたけど、英語がまともに話せないとどうなるかという描写が上手く表現されていて「そうそう」と思わずうなずいてしまう場面が多々ありました。

ビクターが税関国境保護局の事務所で聴取されるシーンで、担当官がパスポートと航空券の提示を求めようと片手を差し出す場面で、ビクターが握手を求められたものと勘違いし、手を差し出してしまうシーンがあるのですが、英語を理解しているふりをして虚勢を張るとこういう事になるという、人の心を描くのが非常に細かいですね。

冒頭この映画を「絵面」で観てはいけないと言ったのはそういう意味なんです。

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