蜘蛛女

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「蜘蛛女、獲らえて、逃して、また誘う・・」のコピーがピッタリの女マフィア

1993年製作  アメリカ ・イギリス合作 100分

監督

ピーター・メダック

 

キャスト

ゲイリー・オールドマン レナ・オリン アナベラ・シオラ ジュリエット・ルイス ロイ・シャイダー ジェームズ・クロムウェル デヴィッド・プローヴァル ロン・パールマン

 

撮影ロケーション・情景

アリゾナ Diner ニューヨーク 汚職警官 アメリカ砂漠地帯 マフィア

 

蜘蛛女のあらすじ

 

アリゾナのレストランでアルバムを見ながら寂しげに過去を振り返るある男の回想シーンから物語は始まる。

その男はジャック・グリマルディ(ゲイリー・オールドマン)。ジャックはニューヨーク市警のたたき上げの刑事で巡査部長。年収5万6000ドルの彼にはナタリー(アナベラ・シオラ)という美しい妻がいるが自分の私利私欲を叶えるため、密かにマフィアと手を組み賄賂で財を蓄える汚職警官である。

 

 

ある日FBIがホテルの一室にマフィアの大物ニック・ガザーラ(デニス・ファリーナ)を保護していた。ガザーラがそこで仲間を裏切る証言をするためだった。FBIが用意した豪勢な食事を血なまぐさい会話をしながら旺盛な食欲を見せるガザーラ。その様子を向かい側のビルの屋上から双眼鏡で盗み見るジャックは組織にガザーラの居場所をタレこみ郵便局の私書箱から賄賂を受け取った。わずか25セントの電話代で6万5000ドルの報酬である。そんな荒稼ぎをしながらジャックはシェリーという愛人までつくり、悠々自適の生活を送っていた。

 

 

ある日ジャックが同僚たちとレストランで食事をしているとガザーラが殺されたとの報告が入った。惨殺な殺し方からしてガザーラを殺めたのはロシア系女マフィアで殺し屋のモナ・デマルコフ(レナ・オリン)だと捜査員たちは睨んだ。モナは殺し屋とは想像もつかぬ程美しく、魅力的な女だった。市警はモナの口を割らせようとモナに司法取引を持ちかけようと企んでいた。それを聞いたジャックは早速マフィア組織に情報を流した。モナはガザーラを殺した際、彼の口を割らせようとしたFBI捜査官たちをも惨殺するという残忍さをもち、彼女の組織のボスであるドン・ファルコーネ(ロイ・シャイダー)も手を焼くほどで、彼女を煙たがっていた。このためファルコーネはモナを消すため組織の幹部をジャックの元に遣り、モナの情報を提供するよう指示した。

 

 

数日後ジャックは、司法取引のため身柄を確保されていたモナをホテルまで護送しFBIに引き渡すよう命じられる。車中のミラー越しに会話をするジャックとモナ。ジャックはこの護送を簡単な任務だと侮っていた。ホテルの部屋にモナを招き入れるとモナはその美貌をチラつかせ20万ドルで取引しようとジャックを誘惑した。モナの色仕掛けに理性を抑えようとするジャックだったが、それに堪えきれなくなったジャックは彼女を弄り(まさぐり)始めた。そしてモナがジャックの上にまたがった所にFBI捜査員たちが部屋に入ってきた。

捜査員たちが呆れ顔をする中、罠にハマり愕然とするジャックをモナは大声であざ笑った。

 

 

モナはFBIに身柄を引き渡されるはずだったが、モナが捜査官の銃を奪い逃走してしまったため、ジャックがマフィアに流した情報に矛盾が生じモナを消し損ねた。ガセネタに多大な賄賂を渡した組織のドン、ファルコーネは激怒しジャックを呼びつけた。しくじったジャックは一旦もらった金をファルコーネに返そうとするが、返す代わりにモナを殺めるようジャックに命じた。殺しは嫌だと断るジャックだったがモナを消さなければジャック本人はおろか、妻、愛人共々惨殺すると脅されジャックはとんでもない窮地に追い込まれてしまう。

 

 

 

蜘蛛女のレビュー・感想

 

この映画が日本で上映された1994年当時、通勤途中のマイカーでこの作品のCMをよく耳にしました。そのコピーが確か「蜘蛛女、獲らえて、逃して、また誘う・・」というものだったと思うのですが、そのコピーのとおりこの蜘蛛女の“モナ”が凄まじい周到ぶりで恐ろしい女マフィアを演じている様子がまさに蜘蛛女という名前にぴったりという感じです。

 

そして「回想シーン」で始まるオープニングの中で、多少のネタバレをしておきながら「今のは観なかったことにしてくれ」というナレーションと共に映像が現在に戻るという編集テクニックは、ハッ!とするような興味をそそり、本編に一気に引き込まれるセールスレターのリード文章みたいでとても上手いなぁって思います。そういった部分に雄大なアリゾナの風景が折り交ざって、絵面的に「観るぞ!」という気にさせてくれたことを覚えています。

 

 

警官の汚職は他の映画でも頻繁に出てきますが、アメリカ警官の汚職の場合、結局命まで狙われてしまうというのが常みたいですね。またこのマフィアのドン、ファルコーネの人を殺めるために他人を説得する大義というか持論が凄い。ある意味説得力がありますね。(でも最後は悲惨な結末を迎えますが)

とにかく僕個人としてはストーリーもさることながら、最初と最後に映し出されるアリゾナのDinerの景色がたまりません。アメリカ西部の情景が恋しくなった人には特に目でも楽しんでもらえる作品かと思います。

そして最後にDinerに現れるナタリーの幻想に、ジャックが嬉しそうな顔をするシーンがあるのですが、自分をジャックに置き換えて考えると切なさのあまり思わず泣けてきます。蜘蛛女という映画はそんな作品です。

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