ジャッキー・ブラウン

クエンティン・タランティーノ監督の3作目ハードボイルドサスペンス

1997年製作  アメリカ  154分

監督

クエンティン・タランティーノ

キャスト

パム・グリア  サミュエル・L・ジャクソン  ロバート・フォスター  ロバート・デ・ニーロ  ブリジット・フォンダ  マイケル・キートン クリス・タッカー

撮影ロケーション・情景

ロサンゼルス空港  ロサンゼルス  ショッピングモール  ビーチハウス  キャビンアテンダント   FBI捜査官  アメリカのデパート

ジャッキー・ブラウンのあらすじ

メキシコのカーボ航空で20年近く勤務するスチュワーデスのジャッキー・ブラウン(パム・グリア)は安月給からの生活苦により裏で武器商人オデール(サミュエル・L・ジャクソン)から売上金の運び屋を請け負っていた。ある日フライトを終え空港の駐車場を歩いていたジャッキーは突然声をかけられた。ロサンゼルス市警のマーク・ダーガス(マイケル・ボーウェン)である。ダーガスは唐突に「バックの中身は?」とジャッキーに尋ねるがジャッキーは「私は客室乗務員よ。変なものはないわ」と否定する。

ダーガスと一緒にいたFBI密輸品捜査官のレイ・ニコレット(マイケル・キートン)が荷物検査をしようとするとジャッキーはそれを拒否するが捜査に協力しなければ被疑者として逮捕すると脅されジャッキーは仕方なく荷物検査に応じる。ジャッキーの鞄をダーガスたちが調べていると中から黄色い封筒に入った多額の現金が見つかりジャッキーは逮捕されてしまう。

署に連行され過去の犯罪歴を調べられたジャッキーには過去デルタ航空時代にパイロットの元夫に頼まれ麻薬を運んだ事を指摘された。この件でジャッキーは実刑は免れたものの大手航空会社から追放される事態を招いてしまったのである。ジャッキーはニコレットから「ボーマン・リヴィングストンという男を知っているか?」とも聞かれた。

ボーマンは何者かに銃で射殺され今朝車のトランクで死んでいるのを発見された男であった。ニコレットは「君はボーマンを知らなくてもボーマンは君を知っていたぞ」といってジャッキーに迫るが実はニコレットたちが追っているのはジャッキーではなく武器密売人であるオデールだった。ジャッキーはオデールの捜査に協力すれば無罪放免で釈放してやると司法取引を持ちかけられたがジャッキーは協力を拒み収監され裁判所で保釈の審理を受ける事になる。

この時裁判所でその様子を傍聴していたオデールは裏で1万ドルの保釈金を用立てジャッキーを保釈させた。保釈されたジャッキーを食代えに来たのはオデールから依頼を受けた保釈保証業者マックス・チェリー(ロバート・フォスター)である。ジャッキーは迎えに来たマックスの車に乗り送ってもらうが途中ジャッキーが煙草を吸いたいと言いだし二人はジャッキーの家の近くにあるホーソンというバーに立ち寄った。マックスは過去の自分の仕事ぶりを誇り顔で語り、ジャッキーは身の上話をマックスに語り始めた。ジャッキーが少しずつマックスに心を開き始めるとマックスは過去の経験をいかしジャッキーに何でも相談に乗るからと約束をする。

ジャッキーは逮捕され取り調べを受けた時に捜査官から言われた量刑が妥当かどうかマックスに質問した。マックスは懲役5年を示唆した捜査官たちの見解に対し「たとえ実刑であったとしても2~3カ月の懲役と1~2年の保護観察処分で済むはず」と答えた。

そしてジャッキーはマックスと話をしているうちに彼女の情報を捜査官にタレこんだ男がボーマン・リヴィングストンである事とボーマンがオデールの手下であり口封じのためオデールに射殺されたことを知る。

ジャッキーが保釈されたことを知っていたオデールは今度はジャッキーの口封じをするため彼女の家を訪れる。

オデールはあからさまに「保釈金を払ったことに対し礼はないのか」と嫌味を言いいながらジャッキーが自分の事を捜査官に洩らしていないか事細かにジャッキーの腹の内を探った。ジャッキーは「そんな質問は見当違いよ」と言ってオデールに銃を向けソファーに座らせた。銃を向けられ手も足も出ないオデールに対しジャッキーはある取引を持ちかける。それはオデールを“売らない”代わりに懲役にいく対価として10万ドルを振り込ませ、更に懲役が1年増せば更にもう10万ドル振り込ませるというものであった。

オデールはジャッキーの条件を呑んだが「俺の金はメキシコにある」と猶予を求めるとジャッキーはオデールに「大丈夫。それについては名案があるの」と仄めかしオデールを帰した。

ここからジャッキーは親しくなった保釈保証業者マックスと手を組み人生をやり直すための一攫千金の計画を実行することになる。

ジャッキー・ブラウンのレビュー・感想

ボビー・ウーマックの「’Across 110th Street’」がハイテンションな気分にしてくれる

 

ボビー・ウーマックの「’Across 110th Street’」にのせてジャッキーがエスカレーターで仕事場に向かうシーンが冒頭から始まり映画を観る時のあの独特なぞくぞく感がハイテンションな気分にしてくれます。僕は空港に行くとなぜかこの歌を自然と口ずさんでしまうんですよね。タランティーノの作品ってこういうかっこいい音楽が上手に使われている事が多いです。

今はキャビンアテンダントというのでしょうが、昔スチュワーデスって言ったら誰もが羨む花形職業だったはずですが、ジャッキーは19年もこの業界で働いてきたのに年収たったの16000ドルというケチな航空会社でこき使われている。ジャッキー制服に貼られた「CA」というワッペンみたいなものがいかにも三流の航空会社らしくてダサくて大胆。

ロバート・デ・ニーロが“ヘタレ役”を好演

サミュエル・L・ジャクソン演じる武器商人オデールはとても残虐なんだけれど何となく小心者で大物を気取る割には単なるどチンピラっていう感じ。銃のデモテープを観ながらルイス(ロバート・デ・ニーロ)に銃の講釈を垂れるシーンでメラニー(ブリジット・フォンダ)から「ただの受け売りよ(知識が)」と見下されるシーンにオデールの“小物”ぶりが窺えるんだけれど、こういう“受け売り”を必死に言う人ってよくいるよね。本人は見透かされているって事気付かないんだろうな。

それと主役でもなくオデールの相棒役で出演するロバート・デ・ニーロはボス役であろうがヘタレ役であろうがいつもながら上手な役作りをますね。同人に対局する役を演じさせたらデ・ニーロ以上の役者なんていんじゃないの?って思ってしまう。

それと、ジャッキーに恋した保釈業者マックスがキュートでいいですね。危険な仕事に携わり、いい歳したオッサンなのに恋心の抱き方がまるで中学生レベル。でも純粋というか、無垢な感じがとてもいいし、憎めないですね。

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