映画制作で一番偉い人は誰?

監督、製作総指揮、プロデューサー、脚本家、それぞれの役割と地位的序列

DVDやBlu-rayなどのディスクジャケットの裏面を見ると、俳優さんのみならず、監督、製作総指揮、脚本、プロデューサーという具合に色々な肩書の方々を目にすると思いますが、監督、製作総指揮、プロデューサーってそれぞれどんな仕事してんの?「一体誰が一番偉いの?」って思ったりしたことありませんか?

有名な映画でバック・トゥ・ザ・フューチャーという作品があります。ご存知ですよね。この作品の場合、

監督:ロバート・ゼメキス

製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ

とあります。

監督だからゼメキスさんも偉いんだろうけど、スピルバーグって聞いちゃうと何となくそちらの方のほうが偉いんだろうなとも思うし、もっとわからないのは

製作総指揮:ジョージ・ルーカス

監督:スティーブン・スピルバーグ

というパターン。

スティーブン・スピルバーグもジョージ・ルーカスもいわずと知れた超大物。

なので本章ではそれら監督、製作総指揮、プロデューサー、そして脚本家も含めそれぞれの役割地位的序列についてまとめてみました。

それぞれの役割と偉い順番は以下です。偉い順にいうと

①製作総指揮

英語でいうと「エグゼクティブプロデユーサー」という位置づけで、この中では一番偉い地位の方。ただ一般のイベントなどもそうですが「イベント総責任者」という肩書の人の下に「イベント運営責任者(実行責任者)」⇒「イベント集客責任者」みたいな人がいて、実際に個々のかじ取りを行うのは「運営責任者(実行責任者)」や「集客責任者」が行うのと同様に製作総指揮といってもその人が何をするというわけではないようです。

ただ、現実的に大物陣を冠に迎える事でいい脚本が集まりやすいのも事実ですし、また資金調達を有利に行うためになんていう事もあるようです。たとえば将来を期待されるほどの有望な若手監督がいたとしても、お金がなければ映画自体作れない。そんな場合に彼らを開花させようと資金調達をしてくれる大物監督やらを「製作総指揮」という立場で監督の上に置き、冠作品を作るという事も結構あるようです。(特にハリウッド映画)

②プロデューサー

映画全体の企画の立案から作品の制作完了までを仕切る人で、監督の起用にも決定権をもっています。また映画製作における進捗スケジュールの管理や、製作費用の運用や管理を主として仕事を行います。

③監督(演出)

監督は映画製作においては演出と同じ位置づけで称されることもありますが、映画の品質に特化した最も重要な役目です。現場で撮影されるシーンのカットは監督が全て「OK」か「NG」かを判断します。キャストの演技やカメラワークなどレンズを通してみるものすべてに注文を付け、映画品質そのものを向上させます。

映画ストーリーの肝ともなる脚本の選定や俳優陣の選任、そして使用する音楽や効果音など、あらゆる場面で決断を下さなければならない立場にいます。「監督の感性で作品の良し悪しが決まる」とよくいわれるのはそのためです。

ちなみに使用する音楽と編集方法の違いに(そこに携わる人の感性)によって、映画そのものの趣きが全く変わってしまうという事をジャック・ニコルソン主演の「アバウト・シュミット」という作品の特典映像を観るとよく解ります。

④脚本家

監督の要請で、物語となるあらすじを脚本として書きおろす仕事を担います。脚本ひとつで観る者を引き込ませるストーリーの展開や、演じる人のセリフや言い回しでその人の心情や情景が大きく変わってしまいます。

いい俳優を使っていて、写っている景色や街並みも素晴らしいのに、脚本がショボいため途中で観る気が失せてしまうことがたまにあります。映画そのものがわざとらしく思えてしまうというか・・・。

脚本は映画が光るか否かを大きく左右すると言っても決して過言ではないですね。

日本語字幕と吹替字幕ってどう違う

あれ?字幕が全然出てこない

DVDなどの洋画を観る際、設定メニューにある「字幕」という項目の中で「日本語字幕」というのと「吹替字幕」という何とも判断しにくいボタンがあるのをご存知かもしれませんが「吹替字幕」に設定して観ようとしたら「あれ?字幕が全然出てこないぞ」という経験をした人も多いのではないでしょうか。本章ではこの「日本語字幕」と「吹替字幕」の違いについて解説してみたいと思います。

日本語字幕とは

まず「日本語字幕」ですがこの設定にすると演じている俳優陣のセリフ、電話での会話(相手のセリフは斜体)テレビから流れる音声(この場合も斜体)手紙を書いている場面での内容を記すナレーション お店の看板等、状況を説明するのに必要なものすべてを日本語に直し字幕として映し出します。

吹替字幕とは

吹替字幕は俳優陣のセリフ、電話での会話(相手のセリフも含め)テレビから流れる音声 手紙の内容を記すナレーション等には字幕は登場しません。ただ道路標識やお店の看板等、状況を把握するための字幕は表示されます。

日本語字幕と吹替字幕2種類の字幕が存在する理由

ではなぜそのような日本語字幕と吹替字幕の2種類で区分けがされるのかというと、たとえば音声を日本語設定にし字幕をoffにして映画を観る場合、俳優陣のセリフは日本語ですから問題ありませんが、映画の箇所々に出てくる標識やお店の看板などは英語表記のままなので理解できないという事になります。

じゃあ、音声も日本語で字幕も日本語字幕にすればという事になりますが、その場合日本語でセリフが語られているのに、それに合わせて日本語の字幕も見せられることになりますのでちょっとウザイとなるわけです。

吹替字幕というのは正しくは「日本語吹替え用字幕」といって、その名の通り「日本語吹替えで観る場合」の字幕設定というわけです。

長々書きましたが要するに「俳優陣たちのセリフに字幕が付くか付かないか」の違いですね。

ハリウッド映画とは

ハリウッド映画の中枢を担う大手映画制作会社

アメリカのハリウッド(カリフォルニア州ロサンゼルス市)には多くの映画制作会社の拠点があり、その地区を拠点とする会社に作られた映画がハリウッド映画とよばれるものです。中でも下記の6社がその中枢を担う大手映画制作会社です。

①ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント

有名作品:007 スカイフォール メン・イン・ブラックシリーズ

年間売上:約1400億円


②ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ

主な作品:美女と野獣 パイレーツ・オブ・カリビアン

年間売上:約1185億円


③ワーナーブラザーズ

主な作品:ダーティハリーシリーズ ハリー・ポッターシリーズ

年間売上:約1135億円


④ユニバーサル・ピクチャーズ

主な作品:ジョーズシリーズ ツイスター

年間売上:約970億円


⑤20世紀フォックス

主な作品:タイタニック スター・ウォーズシリーズ

年間売上:770億円


⑥パラマウント・ピクチャーズ

主な作品:インディ・ジョーンズシリーズ ゴッドファーザーシリーズ

640億円

映画「制作会社」と「配給会社」の違いは?

映画を観ようとすると冒頭オープニングで複数の会社のロゴや社名が表示され、「これって何?」と思う人もいるのではないでしょうか。

でも何となくこれらの会社、この映画を製作している会社か、あるいはDVDなどのメディァを作っているもしくは配給している会社という事は察しがつくのですが、この「制作会社」と「配給会社」いまひとつ違いがピンときません。ですので、映画における「制作会社」「配給会社」の違いについて調べてみました。

一番最初に表示されるのが「制作会社」でその次に出るのが「配給会社」

映画制作会社はその名の通り映画をつくる会社で、映画製作に必要な資金を確保するためにスポンサーをみつけ、そして資金が調ったら脚本を買い、監督や俳優陣を雇って映画を製作します。

配給会社は製作された、もしくはこれから製作される映画を買い付けて、映画館やDVDなどのメディアやテレビ放送するための権利を買う会社です。配給会社は購入した映画での興業収入を上げるために写真集やサウンドトラックなどを商品化したり、主演男優や主演女優などを来日させ、宣伝イベントを行うなどをしています。

たとえるなら「トヨタ自動車株式会社」が制作会社で「ネッツトヨタ○○」が配給会社という感じでしょうか。ただ近年、製作、配給ともに同じ会社で行っているというケースもあるようです。

ちなみにレオナルド・ディカプリオ主演の「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」という作品は製作会社はスティーヴン・スピルバーグが設立したアンブリン・エンターテインメントという会社で、配給はドリームワークスというアメリカの映画製作会社が行っていたりします。

よくDVDを見始めると会社のロゴマークみたいなものが2つくらい出てきて「これらの会社の関係は何?」と思ったりしますが、一番最初にでるのが制作会社で次に出るロゴマークが配給会社のようです。