ブレーキ・ダウン

アリゾナの壮大な風景を楽しみたい人にオススメの作品

1997年製作  アメリカ  93分

監督

ジョナサン・モストウ

キャスト

カート・ラッセル  J・T・ウォルシュ   キャスリーン・クインラン  M・C・ゲイニー

撮影ロケーション・情景

アリゾナ Jeep 大型トレーラー  ピックアップトラック  Diner

ブレーキ・ダウンのあらすじ

アリゾナの砂漠の中を真っ赤なJeepに乗りサンディエゴへ向かうジェフ(カート・ラッセル)とその妻のエイミー(キャスリーン・クインラン)。ハンドルを握るジェフは運転中飲み物を取ろうとしてよそ見をした瞬間、前方からピックアップトラックが飛び出し、あわや衝突しそうになる。間一髪事故を免れたジェフは気を取り直し給油のためにガソリンスタンドに立ち寄った。ジェフがボンネットを開けエンジンルームを覗きこんでいると先ほど衝突しそうになったピックアップトラックの運転手がジェフに近づき文句を言う。

ジェフは「悪ければあやまる。ケンカはお断りだ」と運転手を宥めた。ブツクサ文句を言いながら去っていく運転手の姿を見た妻のエイミーは「何かあったの?」とジェフに聞くと「さっき衝突しそうになった運転手が文句を言いに来た」と告げる。ジェフは一刻も早くこの場から離れようとエイミーに車に乗るよう促しジェフのJeepが再び走り出す。

猛スピードで車を走らせるジェフに「レースでもするつもり?」とエイミーが嗜めた。

ジェフがしばらく車を走らせていると突然警告灯が点灯し車が砂漠のど真ん中で止まってしまう。焦るジェフが携帯電話でロードサービスに連絡をしようとしたが、砂漠のど真ん中ということもあり電話は圏外で繋がらない。エンジンルームを覗き埒が明かずにいると、さっきの言いがかりをつけたピックアップトラックがけたたましくクラクションを鳴らし追い越していくが、トラックはしばらくして止まりジェフたちの様子を不気味に窺っていた。

そこに大きなトレーラーが通りかかる。ジェフたちはトレーラーに手を振り助けを求めると親切にもトレーラーは停車し中から運転手ウォーレン(J・T・ウォルシュ)が降りてきた。ウォーレンは「取り敢えず車を端に寄せよう」と車を押すのを手伝った。ウォーレンは手慣れた様子でボンネットを点検すると「オーバーヒートだろう。この先にある「ベル」というレストランがあるからそこで電話を借り修理屋に電話するといい」と提案した。

しかしジェフは「冷やせば大丈夫だろう」とウォーレンの親切を拒んだが、暑さに参っていたエイミーは「私がレストランに先に行って修理屋に電話をするわ」といいウォーレンのトレーラーに乗り込む。ジェフは一人砂漠に残り車が冷えるのを待つ間、何気にエンジンルームを覗きこむとエンジン下に一本の垂れ下がった線を見つけた。ジェフがそれをコネクタに差しこむと、あっさりとエンジンがかかり、ジェフは歓喜の声をあげる。

大急ぎで車を走らせジェフはベルに向かったがベルに着くとエイミーの姿が見当たらない。ジェフが店主に「女房が来ているはずだが・・」と聞くが「そんな女性は見ていない」と店主は答えた。ジェフは他の客にも聞いて歩くが誰もエイミーを見た者はいなかった。

ここにエイミーがいないと分かると、ジェフはひとつ先の隣町まで探しに行こうと再び車を走らせた。するとウォーレンのトレーラーが前を走っているのが見えた。猛スピードでトレーラーを追うジェフ。トレーラーに追いつくとジェフはクラクションを鳴らしトレーラーを制止しようとしたがトレーラーは止まる気配を見せない。ジェフはトレーラーの前にJeepを割り込み無理やりトレーラーを停止させた。運転していたのはやはりウォーレンである。ジェフはウォーレンを問い質すがウォーレンはエイミーという女性など知らないと白を切る。丁度そこにパトカーが通りかかった。ジェフは大慌てでパトカーを止め警察官に事情を話すと警官はトレーラーの荷台を調べ始める。

しかしウォーレンのトレーラーには荷物ひとつ積まれておらず怪しい点がなかったため警官はウォーレンを行かせてしまう。ウォーレンを放免した警官にジェフは食ってかかるが、警官はジェフのいう事を信じようとせず、挙げ句には夫婦仲を疑いだす始末。いくらジェフが事情を説明しても埒が明かない中、パトカーに無線が入り警官は本部に呼び戻されジェフは八方ふさがりの状態で砂漠の中にひとり取り残される。

ブレーキ・ダウンのレビュー・感想

奥さんが連れ去られるあたりまでは無駄な展開がなく、ある意味単純でわかりやすい娯楽的な映画として入って行けるが、そこから先のストーリーの展開に少々ウザさが・・。

車の故障にしても線が外れていて差し込んだらエンジンがかかるというのはいささか単純ではないか?

ただ冒頭から映し出されるアリゾナの風景がとても綺麗で、絵図らとしてはとても楽しめる感じです。自分ももし、アリゾナに行ったらフェニックス辺りからレンタカーを借りて景色を楽しみながら観光するのもいいのではと思ってしまうほど景観が楽しめる映画ですが、あんな砂漠のど真ん中に取り残されもし暴漢にでも出くわしたらあちらは銃社会ですし、回りに助けてくれる人もいないからやっぱり怖いって思ったりもしますが。

ストーリー的には先述したとおり少々矛盾を感じてしまうところが。電話をかけるために旦那をひとりおいて他人のトレーラーに乗り込むなんて無用心にもほどがある。誘拐した目的がお金目当てと解った辺りから映画として少々つまらなくなります。犯人たちの策略のショボさというか、何でこんなに大勢でやるの?あえて複雑怪奇的な大計画に見せようとする魂胆が垣間見えちゃって、かえって映画をつまらなくしている感じ。

まあ、ストーリーにいくつか矛盾はあるものの先ほど記したように周りの景色が素晴らしいので単純に娯楽としてならそれなりに楽しめる。

余談ですがこのトレーラーの運転手ウォーレン役を演じたJ・T・ウォルシュはこの映画が公開された一年後に心臓麻痺で亡くなっちゃうんだよね。好きな俳優さんだっただけにそれを知った時はショックだったです。

ジャッキー・ブラウン

クエンティン・タランティーノ監督の3作目ハードボイルドサスペンス

1997年製作  アメリカ  154分

監督

クエンティン・タランティーノ

キャスト

パム・グリア  サミュエル・L・ジャクソン  ロバート・フォスター  ロバート・デ・ニーロ  ブリジット・フォンダ  マイケル・キートン クリス・タッカー

撮影ロケーション・情景

ロサンゼルス空港  ロサンゼルス  ショッピングモール  ビーチハウス  キャビンアテンダント   FBI捜査官  アメリカのデパート

ジャッキー・ブラウンのあらすじ

メキシコのカーボ航空で20年近く勤務するスチュワーデスのジャッキー・ブラウン(パム・グリア)は安月給からの生活苦により裏で武器商人オデール(サミュエル・L・ジャクソン)から売上金の運び屋を請け負っていた。ある日フライトを終え空港の駐車場を歩いていたジャッキーは突然声をかけられた。ロサンゼルス市警のマーク・ダーガス(マイケル・ボーウェン)である。ダーガスは唐突に「バックの中身は?」とジャッキーに尋ねるがジャッキーは「私は客室乗務員よ。変なものはないわ」と否定する。

ダーガスと一緒にいたFBI密輸品捜査官のレイ・ニコレット(マイケル・キートン)が荷物検査をしようとするとジャッキーはそれを拒否するが捜査に協力しなければ被疑者として逮捕すると脅されジャッキーは仕方なく荷物検査に応じる。ジャッキーの鞄をダーガスたちが調べていると中から黄色い封筒に入った多額の現金が見つかりジャッキーは逮捕されてしまう。

署に連行され過去の犯罪歴を調べられたジャッキーには過去デルタ航空時代にパイロットの元夫に頼まれ麻薬を運んだ事を指摘された。この件でジャッキーは実刑は免れたものの大手航空会社から追放される事態を招いてしまったのである。ジャッキーはニコレットから「ボーマン・リヴィングストンという男を知っているか?」とも聞かれた。

ボーマンは何者かに銃で射殺され今朝車のトランクで死んでいるのを発見された男であった。ニコレットは「君はボーマンを知らなくてもボーマンは君を知っていたぞ」といってジャッキーに迫るが実はニコレットたちが追っているのはジャッキーではなく武器密売人であるオデールだった。ジャッキーはオデールの捜査に協力すれば無罪放免で釈放してやると司法取引を持ちかけられたがジャッキーは協力を拒み収監され裁判所で保釈の審理を受ける事になる。

この時裁判所でその様子を傍聴していたオデールは裏で1万ドルの保釈金を用立てジャッキーを保釈させた。保釈されたジャッキーを食代えに来たのはオデールから依頼を受けた保釈保証業者マックス・チェリー(ロバート・フォスター)である。ジャッキーは迎えに来たマックスの車に乗り送ってもらうが途中ジャッキーが煙草を吸いたいと言いだし二人はジャッキーの家の近くにあるホーソンというバーに立ち寄った。マックスは過去の自分の仕事ぶりを誇り顔で語り、ジャッキーは身の上話をマックスに語り始めた。ジャッキーが少しずつマックスに心を開き始めるとマックスは過去の経験をいかしジャッキーに何でも相談に乗るからと約束をする。

ジャッキーは逮捕され取り調べを受けた時に捜査官から言われた量刑が妥当かどうかマックスに質問した。マックスは懲役5年を示唆した捜査官たちの見解に対し「たとえ実刑であったとしても2~3カ月の懲役と1~2年の保護観察処分で済むはず」と答えた。

そしてジャッキーはマックスと話をしているうちに彼女の情報を捜査官にタレこんだ男がボーマン・リヴィングストンである事とボーマンがオデールの手下であり口封じのためオデールに射殺されたことを知る。

ジャッキーが保釈されたことを知っていたオデールは今度はジャッキーの口封じをするため彼女の家を訪れる。

オデールはあからさまに「保釈金を払ったことに対し礼はないのか」と嫌味を言いいながらジャッキーが自分の事を捜査官に洩らしていないか事細かにジャッキーの腹の内を探った。ジャッキーは「そんな質問は見当違いよ」と言ってオデールに銃を向けソファーに座らせた。銃を向けられ手も足も出ないオデールに対しジャッキーはある取引を持ちかける。それはオデールを“売らない”代わりに懲役にいく対価として10万ドルを振り込ませ、更に懲役が1年増せば更にもう10万ドル振り込ませるというものであった。

オデールはジャッキーの条件を呑んだが「俺の金はメキシコにある」と猶予を求めると

ジャッキーはオデールに「大丈夫。それについては名案があるの」と仄めかしオデールを帰した。

ここからジャッキーは親しくなった保釈保証業者マックスと手を組み人生をやり直すための一攫千金の計画を実行することになる。

ジャッキー・ブラウンのレビュー・感想

ボビー・ウーマックの「’Across 110th Street’」にのせてジャッキーがエスカレーターで仕事場に向かうシーンが冒頭から始まり映画を観る時のあの独特なぞくぞく感がハイテンションな気分にしてくれます。僕は空港に行くとなぜかこの歌を自然と口ずさんでしまうんですよね。タランティーノの作品ってこういうかっこいい音楽が上手に使われている事が多いです。

今はキャビンアテンダント というのでしょうが、昔スチュワーデスって言ったら誰もが羨む花形職業だったはずですが、ジャッキーは19年もこの業界で働いてきたのに年収たったの16000ドルというケチな航空会社でこき使われている。ジャッキー制服に貼られた「CA」というワッペンみたいなものがいかにも三流の航空会社らしくてダサくて大胆。

サミュエル・L・ジャクソン演じる武器商人オデールはとても残虐なんだけれど何となく小心者で大物を気取る割には単なるどチンピラっていう感じ。銃のデモテープを観ながらルイス(ロバート・デ・ニーロ)に銃の講釈を垂れるシーンでメラニー(ブリジット・フォンダ)から「ただの受け売りよ(知識が)」と見下されるシーンにオデールの“小物”ぶりが窺えるんだけれど、こういう“受け売り”を必死に言う人ってよくいるよね。本人は見透かされているって事気付かないんだろうな。

それと主役でもなくオデールの相棒役で出演するロバート・デ・ニーロはボス役であろうがヘタレ役であろうがいつもながら上手な役作りをますね。同人に対局する役を演じさせたらデ・ニーロ以上の役者なんていんじゃないの?って思わせるくらい上手い。

あとジャッキーに恋した保釈業者マックスがキュートでいいですね。危険な仕事に携わり、いい歳したオッサンなのに恋心の抱き方がまるで中学生レベル。でも純粋というか無垢な感じがとてもいいし、憎めないですね。

蜘蛛女

「蜘蛛女、獲らえて、逃して、また誘う・・」のコピーがピッタリの女マフィア

1993年製作  アメリカ ・イギリス合作 100分

監督

ピーター・メダック

キャスト

ゲイリー・オールドマン レナ・オリン アナベラ・シオラ ジュリエット・ルイス ロイ・シャイダー ジェームズ・クロムウェル デヴィッド・プローヴァル ロン・パールマン

撮影ロケーション・情景

アリゾナ Diner ニューヨーク 汚職警官 アメリカ砂漠地帯 マフィア

蜘蛛女のあらすじ

アリゾナのレストランでアルバムを見ながら寂しげに過去を振り返るある男の回想シーンから物語は始まる。

その男はジャック・グリマルディ(ゲイリー・オールドマン)。ジャックはニューヨーク市警のたたき上げの刑事で巡査部長。年収5万6000ドルの彼にはナタリー(アナベラ・シオラ)という美しい妻がいるが自分の私利私欲を叶えるため、密かにマフィアと手を組み賄賂で財を蓄える汚職警官である。

ある日FBIがホテルの一室にマフィアの大物ニック・ガザーラ(デニス・ファリーナ)を保護していた。ガザーラがそこで仲間を裏切る証言をするためだった。FBIが用意した豪勢な食事を血なまぐさい会話をしながら旺盛な食欲を見せるガザーラ。その様子を向かい側のビルの屋上から双眼鏡で盗み見るジャックは組織にガザーラの居場所をタレこみ郵便局の私書箱から賄賂を受け取った。わずか25セントの電話代で6万5000ドルの報酬である。そんな荒稼ぎをしながらジャックはシェリーという愛人までつくり、悠々自適の生活を送っていた。

ある日ジャックが同僚たちとレストランで食事をしているとガザーラが殺されたとの報告が入った。惨殺な殺し方からしてガザーラを殺めたのはロシア系女マフィアで殺し屋のモナ・デマルコフ(レナ・オリン)だと捜査員たちは睨んだ。モナは殺し屋とは想像もつかぬ程美しく、魅力的な女だった。市警はモナの口を割らせようとモナに司法取引を持ちかけようと企んでいた。それを聞いたジャックは早速マフィア組織に情報を流した。モナはガザーラを殺した際、彼の口を割らせようとしたFBI捜査官たちをも惨殺するという残忍さをもち、彼女の組織のボスであるドン・ファルコーネ(ロイ・シャイダー)も手を焼くほどで、彼女を煙たがっていた。このためファルコーネはモナを消すため組織の幹部をジャックの元に遣り、モナの情報を提供するよう指示した。

数日後ジャックは、司法取引のため身柄を確保されていたモナをホテルまで護送しFBIに引き渡すよう命じられる。車中のミラー越しに会話をするジャックとモナ。ジャックはこの護送を簡単な任務だと侮っていた。ホテルの部屋にモナを招き入れるとモナはその美貌をチラつかせ20万ドルで取引しようとジャックを誘惑した。モナの色仕掛けに理性を抑えようとするジャックだったが、それに堪えきれなくなったジャックは彼女を弄り(まさぐり)始めた。そしてモナがジャックの上にまたがった所にFBI捜査員たちが部屋に入ってきた。

捜査員たちが呆れ顔をする中、罠にハマり愕然とするジャックをモナは大声であざ笑った。

モナはFBIに身柄を引き渡されるはずだったが、モナが捜査官の銃を奪い逃走してしまったため、ジャックがマフィアに流した情報に矛盾が生じモナを消し損ねた。ガセネタに多大な賄賂を渡した組織のドン、ファルコーネは激怒しジャックを呼びつけた。しくじったジャックは一旦もらった金をファルコーネに返そうとするが、返す代わりにモナを殺めるようジャックに命じた。殺しは嫌だと断るジャックだったがモナを消さなければジャック本人はおろか、妻、愛人共々惨殺すると脅されジャックはとんでもない窮地に追い込まれてしまう。

蜘蛛女のレビュー・感想

この映画が日本で上映された1994年当時、通勤途中のマイカーでこの作品のCMをよく耳にしました。そのコピーが確か「蜘蛛女、獲らえて、逃して、また誘う・・」というものだったと思うのですが、そのコピーのとおりこの蜘蛛女の“モナ”が凄まじい周到ぶりで恐ろしい女マフィアを演じている様子がまさに蜘蛛女という名前にぴったりという感じです。

そして「回想シーン」で始まるオープニングの中で、多少のネタバレをしておきながら「今のは観なかったことにしてくれ」というナレーションと共に映像が現在に戻るという編集テクニックは、ハッ!とするような興味をそそり、本編に一気に引き込まれるセールスレターのリード文章みたいでとても上手いなぁって思います。そういった部分に雄大なアリゾナの風景が折り交ざって、絵面的に「観るぞ!」という気にさせてくれたことを覚えています。

警官の汚職は他の映画でも頻繁に出てきますが、アメリカ警官の汚職の場合、結局命まで狙われてしまうというのが常みたいですね。またこのマフィアのドン、ファルコーネの人を殺めるために他人を説得する大義というか持論が凄い。ある意味説得力がありますね。(でも最後は悲惨な結末を迎えますが)

とにかく僕個人としてはストーリーもさることながら、最初と最後に映し出されるアリゾナのDinerの景色がたまりません。アメリカ西部の情景が恋しくなった人には特に目でも楽しんでもらえる作品かと思います。

そして最後にDinerに現れるナタリーの幻想に、ジャックが嬉しそうな顔をするシーンがあるのですが、自分をジャックに置き換えて考えると切なさのあまり思わず泣けてきます。蜘蛛女という映画はそんな作品です。

激突!

監督無名時代でも“流石!”と思わせるスピルバーグの手腕

1971年製作  アメリカ  90分

監督

スティーヴン・スピルバーグ

キャスト

デニス・ウィーバー  ジャクリーン・スコット  エディ・ファイアストーン  ルー・フリッゼル  ルシル・ベンソン  キャリー・ロフティン

撮影ロケーション・情景

カリフォルニア州の山脈・砂漠 サザン・パシフィック鉄道

激突!のあらすじ

セールスマン、デイヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)はクライアントとの契約のため愛車プリムス・ヴァリアントに乗り早朝商談先へと出発した。ハイウエイを抜け、山岳地帯の荒野に差し掛かると前方に大型のタンクローリーがモクモクと煙を吐きながらのろのろ走っていた。撒き散らされる排気ガスにも堪えがたかったが、デイヴィッドは商談に遅れる事を懸念しタンクローリーを追い越した。

するとさっきまでやおらに走っていたタンクローリーは一気に速度を上げ幅寄せするようにデイヴィッドの前に割り込んだ。呆れ顔をするデイヴィッドは、仕方なくまた後に回ったが、タンクローリーは減速し進路の妨害を始めた。よくある嫌がらせと意に介さなかったデイヴィッドは再びタンクローリーを追い抜くと、タンクローリーはものすごい警笛を鳴らし威嚇した。デイヴィッドは相手にせず、そのまま暫くラジオを聞きながら車を走らせた。

デイヴィッドはほどなくして、給油のためガソリンスタンドに立ち寄った。するとそこにさっきのタンクローリーが入ってきてデイヴィッドの隣の給油レーンに停車した。デイヴィッドは運転手がどんな人物か車窓越しに確かめたが、運転席には既に誰もいなかった。

運転手が気になり、戦々恐々と周囲を見渡すデイヴィッド。するとタンクローリーのタイヤを靴底で蹴りながら空気圧を確かめる運転手らしき者がいた。しかし顔や姿は大きな車両が死角となって知る事は出来なかった。ただ、キャメル色のウエスタンブーツを履いている事だけはわかった。

ガソリンスタンドの店主が給油口にノズルを差し込み給油を始まると「エンジンルームも見ておきましょう」といいボンネットを開けた。デイヴィッドはラジエーターホースの傷みを指摘されたが、「知ってるよ。今度でいい」と気に留めなかった。給油をしている間デイヴィッドは妻(ジャクリーン・スコット)に電話をしょうとして店主に両替を頼んだ。するとタンクローリーの運転手が「早くしろ」と言わんばかりに、けたたましくホーンを鳴らした。運転手の気の荒さをデイヴィッドは感じた。

給油を済ませたデイヴィッドはスタンドを後にした。しばらく走りデイヴィッドがルームミラーを覗くと、あのタンクローリーが凄まじい勢いで後を追ってきた。タンクローリーにぴたりと着かれたデイヴィッドは煩わしさを感じ、手招きしタンクローリーに道を譲った。するとタンクローリーはデイヴィッドの車を追い越すとまたも幅寄せをし前に割り込んだ。そのまま走り去ってくれたらいいものを、タンクローリーは再び減速し進路の妨害を繰り返した。「譲ってやったのだから早く行けよ」と呆れ顔をするデイヴィッドだったがタンクローリーは進路の妨害を続けた。

道路が追い越し車線に切り替わった時である。タンクローリーを追い越そうとデイヴィッドが左車線に移ると、タンクローリーも左によってそれを阻み、右に出ようとすれば右に蛇行し追い越しをさせない。このままでは商談に間に合わないとデイヴィッドがやきもきしていると、タンクローリーは先に行けとばかりに窓から手招きをしデイヴィッドを誘った。

タンクローリーの運転手が道を譲ってくれたと思ったデイヴィッドが追い越そうとすると対抗車が現れ間一髪のところで対向車をかわし衝突を逃れた。タンクローリーの運転手は前方が見えないカーブに差し掛かった時、敢えて追い越しをさせ、対向車両と正面衝突させる魂胆だった。さすがのデイヴィッドもこれには殺意を感じた。

どうすればこのタンクローリーから離れられるのかデイヴィッドは考えた。すると、少し先に脇道が見えてきた。あの脇道が追い越す唯一のチャンスだとデイヴィッドは睨んだ。脇道に差し掛かるとデイヴィッドは思いっきりアクセルを踏み込んで脇道に逸れ、見事タンクローリーを追い抜く事に成功した。デイヴィッドはハンドルを叩いて喜び、「してやったり」とばかりのドヤ顔をみせ、タンクローリーに手を振った。デイヴィッドはしばらく安堵の表情で車を走らせた。

しかし、それもつかの間、タンクローリーは猛スピードでデイヴィッドを追ってきた。ハイパワーのディーゼルエンジンのタンクローリーは、急速にその距離を縮めホーンを鳴らしデイヴィッドを煽る。デイヴィッドはとっさに急ブレーキを踏み空き地に逃げ込んだ。そのはずみでデイヴィッドは車をスピンさせ駐車場フェンスに車を突き当てた。その衝撃でデイヴィッドは首に鞭打ちを負ってしまう。近所の農夫たちが心配そうにデイヴィッドに詰め寄ると、デイヴィッドは「タンクローリーに殺されかけた」と話すが、農夫たちは脳震盪で幻想を見たんだろうと、取るに足りない態度を見せた。

デイヴィッドは車から降りおぼつかない足取りで向かい側にあるレストランに入った。席に着き冷静さを取り戻そうとするデイヴィッド。なぜこんなことになってしまったのか事態を顧みながらトイレの洗面台で顔を洗い頭を冷やす。ケガをしたもののタンクローリーと訣別できたと思ったデイヴィッドは「もう済んだ事。忘れよう」とトイレから戻り席に着こうとした。その時だった。何気に窓から駐車場を見ると、あのタンクローリーが止まっていた。

愕然としたデイヴィッドはレストラン内を見渡し戦々恐々とする。唯一の手掛かりとなるキャメル色のウエスタンブーツも、そこにいるすべての者が一様に同じようなブーツをはいていてデイヴィッドを困惑させた。デイヴィッドは取り敢えず席に着き食事をしながら対策を練ろうとした。年配のウエイトレスに出された水を一気に飲み干すと、デイヴィッドはライ麦パンのチーズサンドを注文し、ついでにもう一杯の水とアスピリンを頼んだ。デイヴィッドは待つ間、色々と考えを巡らせるが、デイヴィッドは努めて都合のいいように解釈した。「別に待ち伏せをしていたわけでなく昼時間なのでたまたまここに立ち寄っただけ。このあたりは他に店もないし。そうだ、そうに決まっている」。デイヴィッドそう信じたかった。

するとウエスタンブーツを履いた客の一人が勘定を済ませ店を出た。デイヴィッドはこの男がタンクローリーの運転手ではと窓越しに目を遣った。男がタンクローリーに向い歩いていく。男はタンクローリーのフロントバンパー辺りを撫でまわしながら運転席側に消えた。「あの男なのか?」と思った瞬間、男はタンクローリーの奥に停めていたピックアップトラックに乗り駐車場から出て行った。彼ではなかった。

デイヴィッドは「一体誰なんだ」と店内を見渡す。すると店の奥で一人ビールを飲みながらサンドイッチを食べている男が目に入った。この男もやはりキャメル色のブーツを履いていた。もはやうつ状態になっていたデイヴィッドは男に近づき、闇雲に「もうやめてくれないか」といった。男は「何を?」と聞き返した。この男が犯人と一方的に思い込んでいるデイヴィッドは男に唐突に詰め寄った。「何の話だ」と意に介さない男の手をデイヴィッドが叩いた瞬間、男のサンドイッチが床に落ちた。

難癖をつけられた上に食事の邪魔をされた男は激怒しデイヴィッドに殴り掛かった。そのまま男は怒って店を出た。殴られ、失墜するデイヴィッドに店主は「出て行ってくれ」と告げると、デイヴィッドは立ち上がり外を見る。怒って店を出て行った男がトラックに乗り走り出す。またしてもタンクローリーではなく違うトラックだった。デイヴィッドは愕然とした。すると突然外でトラックのエンジン音が聞こえた。駐車場に停まっていたあのタンクローリーである。デイヴィッドは店を飛び出し、走り去ろうとするタンクローリーを駆け足で追ったがタンクローリーそのまま走り去った。フラフラの状態で車に戻ったデイヴィッドも再び出発した。

しばらく車を走らせ山道に差し掛かると、一台のスクールバスがオーバーヒートを起こし救援を求めていた。デイヴィッドは嫌々ながらもヴァリアントの車体をバスの後ろに充て押してやろうと試みるが、ヴァリアントとスクールバスの車高が合わないためヴァリアントの車体がバスのバンパーの下に挟まりヴァリアントは動けなくなってしまった。デイヴィッドが何とかバスから離そうと試みていると前方にあのタンクローリーが現れた。

どうにかこうにかヴァリアントをバスから切り離すことが出来たデイヴィッドは慌てて車を走らせ足早に逃げた。しばらく車を走らせると踏切があり貨物列車が横断中だった。踏切で停車し列車の通過を待っていると「ゴツン」という音とともに車が揺れた。

ミラーを覗くとあのタンクローリーが踏切内にデイヴィッドの車を押し出そうとしていた。明らかに男はデイヴィッドを殺めようとしていた。デイヴィッドはとっさにギアをバックに入れ替え、タンクローリーに対抗したが、タンクローリーの馬力は相当なもので、危うく列車に巻き込まれそうになったところで踏切の遮断機が開いた。勢いあまりそのはずみでデイヴィッドはすぐそばにある路肩に車を乗り上げた。タンクローリーは不気味な警笛を鳴らし過ぎ去って行った。

列車に巻き込まれず命拾いをしたデイヴィッドは胸をなで下ろし再び車を走らせた。デイヴィッドは心身ともに相当疲れ切っていた。そんなデイヴィッドが峠を上り、下り坂に入ろうとした時、前方にタンクローリーが走っていた。上り坂のため前が見えなかったのだ。

命の危険を感じたデイヴィッドは通り沿いにあったドライブインに逃げ込み、公衆電話から警察に助けを求めた。デイヴィッドが公衆電話で警察と話をしていると、タンクローリーは公衆電話めがけ突進した。デイヴィッドはとっさに身をかわすが、タンクローリーは店や飼っている動物小屋もろとも踏み倒し、デイヴィッドの後を執拗に追った。

血眼で逃げるデイヴィッドはとっさにハンドルを切り、鉄道脇の枝道に逃げ込み身を隠した。それに気づかぬタンクローリーはそのまま走り去った。そしてデイヴィッドはタンクローリーとの距離を少しでも離そうと、しばらくそのまま眠り込んだ。

眠っていたデイヴィッドだったが、突然大きなホーンが鳴った。あのタンクローリーが再び襲ってきたのかと思いデイヴィッドは飛び起きた。しかしそのホーンはタンクローリーではなく傍を通る貨物列車の警笛だった。タンクローリーのホーンの音が頭から離れず、全てあのホーンに聞こえてしまっていた。それが貨物列車だと知ると極度の安堵でデイヴィッドは大笑いした。

気を取り直しデイヴィッドは再びハンドルを握り走り出す。しかし突然デイヴィッドはブレーキを踏み車を止めた。先方にタンクローリーが待っていたからである。

あまりの執拗さにもう逃げきれないと悟ったデイヴィッドは、とうとうタンクローリーとの対決を決意する。シートベルトを締め直し、臨戦態勢に入ったデイヴィッドは、待ち構えるタンクローリーの横を静かに通過し、「ついてこい!」とばかりに挑発してみせた。

物凄い勢いでデイヴィッドの後を追うタンクローリー。アクセルをフルに踏み込み猛スピードで逃げるデイヴィッド。タンクローリーとの距離はだいぶ離れていたが、ハイパワーのタンクローリーにその距離を徐々に詰められてしまう。

十数メートルのあたりまで距離を詰められた時、道路は上り坂に差し掛かった。上り坂ではあの巨大なタンクローリーではさすがに追いつかず、デイヴィッドの車が見えなくなるほど距離を離された。ところが安心したのもつかの間、デイヴィッドが後ろを見ると車は大量の煙を放っていた。車のラジエターホースから水が漏れ、オーバーヒート直前の状態だった。ガソリンスタンドでラジエターホースの交換をしなかったことが仇となった。

デイヴィッドの車は悶々と煙をまき散らし、見る見るうちに速度が落ち、エンスト寸前である。もはやこれまでかと思われた時に道路が下り坂に差し掛かかった。デイヴィッドはギアをニュートラルに入れ替え車は坂道を下った。徐々にスピードが上がるが、勢いあまってデイヴィッドはコントロールを失い、壁にぶつかり車が止まった。今にもエンジンが止まりそうな状態だったがデイヴィッドは逃げ続けそのまま峠にある崖へとタンクローリーを誘った。

崖下を背に車を止めたデイヴィッドはタンクローリーが向かってくるのを待った。案の定、タンクローリーはものすごいスピードでデイヴィッドの車に向ってきた。デイヴィッドは助手席にあったアタッシュケースをアクセルに挟み込んだ。そしてタンクローリーめがけて正面衝突を試みる。

アクセルペダルにアタッシュケースをかませ、衝突する直前にデイヴィッドは車から飛び降りた。デイヴィッドの車に凄まじい勢いで激突したタンクローリーは勢いに任せデイヴィッドの車を押しやるが、煙と砂埃に視界を遮られていたため、その先が崖である事に気付くのが遅れた。慌ててタンクローリーはブレーキを踏むが間に合わず、ヴァリアント共々、崖下に転落し大破した。運転手は息絶え、デイヴィッドは死の恐怖からようやく解放された。

激突!のレビュー・感想

この映画は一種のロードムービーに当たるんでしょうが、映し出される景色はアメリカの山間部の荒野がほとんどです。でも巧みなカメラワークで進めていくので全く飽きません。ちなみに昔、僕が1時間半の時間をかけて会社の会議のため車で移動する際、この映画を車中で流していたんですが、乗っていた3人全員がひとりも居眠りすることなく最後まで観入っていました。中途半端な愚作だったら1時間以上も乗っていれば寝てしまうはずですよね。(笑)

そしてこの作品の監督が、監督としてデビューして間もない無名時代のスピルバーグだというから、やっぱり才能ある人って違うんだなあって感心してしまいます。ちなみにこの時のスピルバーグ監督の若かりし姿が、デイヴィッドが警察に通報する公衆電話のガラスになぜか映り込んでいますから「あらまぁ」という感じで面白いです。

この「激突!」は英語でも吹替えでもどちらでも楽しめると思いますが、主人公デイヴィッドの吹替えは過去複数の人がやっていて、かなり前にテレビ朝日系列で放映された時の穂積隆信さんの声がデイヴィッドには一番合っているようで私個人としては好きですね。

それと観る時に注意して欲しいのがタンクローリーのホーンの音がかなり大きいこと。セリフに合わせ音量設定しているとタンクローリーがホーンを鳴らすシーンでは吃驚しちゃいます。なので英語でも日本語吹き替えでもどちらにせよ、字幕を表示させてセリフの音量は小さめにして観てもらった方が観やすいかも。もちろん防音システムを施したシアタールームのような環境下であればその必要はありませんが

またこの映画の最初から終わりまで、常に画面に登場するデイヴィッドの愛車、プリムス・ヴァリアントですが、この時代のアメ車の足回りの弱さとステアリングのか細さが顕著に表れていますね。

車とは不思議なもので見慣れてくるとフロントマスクがおのずと人の顔に見えてくる。このピータービルト社製の、まるで軍用機のような色をしたタンクローリーのフロントマスク。こんなのに追い回されたら恐怖以外の何ものでもないでしょう。

坂道を上り、下り道に入ったところでタンクローリーが待ち伏せしているシーンがあり恐怖でデイヴィッドが急ブレーキを踏むシーンがありますが、その時のカメラワークと効果音がその不気味さと恐怖を解りやすく表現していて、無名時代とはいえさすがにスピルバーグって上手いなあって思います。

セールスの商談のため朝早く家を出た平凡なセールスマンが、ふとしたことから命を脅かされ、最後に敵と一騎打ちをしてこの映画は終わりますが、デイヴィッドがタンクローリーを撒いた後、線路脇で眠ってしまい、列車の警笛をタンクローリーのホーンと勘違いして飛び起き、デイヴィッドが安堵感から大笑いをするシーンがあるのですが、仮にこのシーンあたりでこの映画を終えたとしても、十分に面白い映画として成り立つような繊細なタッチで描かれたいい映画です。まあ、スピルバーグだから当然と言えば当然なんでしょうけれどね。

ゲーム

“日常に飽きた”と嘆く人には面白い作品

1997年製作  アメリカ  128分

監督

デヴィッド・フィンチャー

キャスト

マイケル・ダグラス  ショーン・ペン  アンナ・カタリーナ  デボラ・カーラ・アンガー  ジェームズ・レブホーン  アーミン・ミューラー=スタール

撮影ロケーション・情景

サンフランシスコ 大邸宅 BMW7シリーズ メキシコ

ゲームのあらすじ

サンフランシスコで投資事業を行っているニコラス・ヴァン・オートン(マイケル・ダグラス)は日々多忙を極める実業家。妻のエリザベス(アンナ・カタリーナ)とは離婚し大豪邸にひとり暮らしていた。

ある朝、ニコラスは一日のスケジュールを秘書に確認していると「社長とランチをご一緒したい」といういたずら電話があったことを聞かされる。その電話の主はニコラスの弟コンラッド・ヴァン・オートン(ショーン・ペン)からの電話であった。ニコラスは秘書に予定していた昼食会をキャンセルさせ弟とのランチを優先させた。

ニコラスは行きつけのレストランで弟コンラッドと3年ぶりに再会する。その日はニコラスの誕生日でコンラッドは誕生日プレゼントとしてCRSという謎めいた会員クラブの招待状をニコラスに贈った。ニコラスはコンラッドに「そのクラブは何だ」と尋ねるも、コンラッドは「退屈な人生が楽しくなる。だから電話して」と意味深げに答えるだけだった。

その夜、帰宅したニコラスは家政婦のイルサが用意してくれたハンバーガーとちんまりとした誕生日ケーキをトレイにのせ、ひとり物寂しい 夕食をとろうとしていた。するとそこに別れたエリザベスから誕生日を祝福する電話が入った。しかしそんな気遣いをするエリザベスにニコラスは虚勢をはり素っ気ない態度で受答えをするが、エリザベスが触れたある話題でニコラスは神妙な面持ちをみせる。それはきょう48歳の誕生日迎えたニコラスと奇しくも同じ歳に屋敷の屋上から身を投げ自ら命をたった父の事だった。ニコラスはじっと目を閉じあの日の凄惨な光景を思い出していた。

翌日ニコラスは商談をするためにあるビルを訪れるが、この時このビルの14階にCRSの会社が入っている事に気付く。興味をそそられCRSのフロントを尋ねたニコラスは対応してくれたデータ分析部長のジム・ファインゴールド(ジェームズ・レブホーン)に「このクラブは何を商売にする会社なのか」と尋ねると、ファインゴールドは「ゲームです。一人一人に合わせてゲームを創ります。人生のバカンスとお考えください。」と答えた。

答えとしては漠然としていたがニコラスは何げに興味を惹かれ入会の手続きをすすめる事に。しかし入会手続きを完了させる事は一筋縄では行かず、心理テストや体力テストなど丸1日を費やしてしまった。

入会はしたものの、実際に「ゲーム」のサービスの提供を受けるかどうか考え悩んでいたニコラスはある日偶然にもCRSについて語る2人の老紳士の会話を耳にする。ニコラスは二人にCRSの体験談を聞こうとするが二人は闇雲に称賛するだけで、事細かな内容についてはお茶を濁しその場を去って行った。

疑心暗鬼のまま数日が経ち、ある晩ニコラスが帰宅すると、不気味なピエロの人形が玄関前に横たわっていた。そのピエロをニコラスは抱きかかえ部屋に入るが、ピエロの口元を観ると何やら赤い紐が出ており、紐を手繰り寄せるとその紐の先にはCRSの鍵が括りつけられていた。

とりあえずピエロをソファーに座らせたニコラスはいつものように株価情報番組をみていた。ニュースを読んでいるキャスターの声に耳を傾ける傍ら、ピエロの顔をじっと眺めていると突然キャスターがニコラス・ヴァン・オートンの名前を口にした。これにはニコラスも驚いたが、もっと驚いたのはキャスターからニコラスの姿、家中の様子が見られている事だった。ニコラスはキャスターに「これはどういう事だ」と聞くと、キャスターは「これがゲームだよ。ようこそ」とニコラスに告げた。そしてキャスターがゲームの基本ルールを説明し始めると突如家政婦のイルサが帰宅を告げに部屋に表れた。それまでニコラスとテレビ越しに会話をしていたキャスターは瞬時に通常のニュース放送に画面が切り替わった。

イルサがいなくなると画面は再びニコラスとの会話にもどり、キャスターはCRSの24時間ホットラインサービスの連絡先をニコラスにメモするように促し、「ゲームの目的を尋ねようとしても無駄だ。その解明こそがこのゲームの目的なのだから」という意味シンな言葉を残し再び通常のニュース放送に切り替えた。

「何かが始まろうとしている」と神妙な面持ちを隠せないニコラスであったが、彼はこれから戦々恐々とした日々を送ることになる。

ゲームのレビュー・感想

この映画の舞台の殆どはサンフランシスコ。ただし、サンフランシスコの景観を楽しもうとこの映画をチョイスしても、あの燦々としたサンフランシスコのイメージは全くありません。シーンの多くは夜の撮影です。

あらすじにもあるようにこの映画の肝は「人生のバカンス」と称する人生ゲーム。観ていて初めはこういうサービスを行う企業があってもいいし、面白いのでは?とも思ったりもしたけれど、ニコラスに仕掛けられるゲームは想像をはるかに超えており、「なるほど、これは面白い」と思わせるリアルな仕掛けもあれば「こんなことされたら訴訟もんだろう」とも思えるような浮世離れした仕掛けなど様々です。

もうどこかでゲームと言える範囲を超越しちゃっているけれど、ただ単純に映画として観るのであればすごく面白いし、「もし自分がこの状況になったら?」と一考しながら観る事が出来るので退屈しません。“日常に飽きた”と嘆く人には面白い作品だと思います。