“人生誰と出遭うか何と出遭うか”の重要性を気付かせてくれる映画
2008年製作 アメリカ 104分
監督
ペイトン・リード
キャスト
ジム・キャリー ズーイー・デシャネル リス・ダービー -ブラッドリー・クーパー ジョン・マイケル・ヒギンズ テレンス・スタンプ ダニー・マスターソン フィオヌラ・フラナガン
撮影ロケーション・情景
ロサンゼルス 啓発セミナー ガソリンスタンド スクーター BMW3 銀行マン 公園 昇進 アメリカの片田舎 空港
イエスマン “YES”は人生のパスワードのあらすじ
すべてに消極的な“ネガティブ銀行マン”カール
ロサンゼルスで銀行に勤務するカール(ジム・キャリー)は3年前の離婚を引きずり全ての物事にたいして“NO”というネガティブな生き方をしていた。仕事上融資担当をしているが、顧客の融資申請においても全てにおいて“NO”と却下し、友人からのパーティーの誘いや社会人としての人との付き合いにもとても消極的だった。
ある日カールは銀行のエントランスで友人ニック(ジョン・マイケル・ヒギンズ) と遭う。ニックはカールに「イエスマンになって人生が変わった」といいカールにもイエスへ入会するよう怪しげなセミナーの冊子を渡した。
それから数日後、相変わらずネガティブ生活を送るカールはある日、友人ピーター(ブラッドリー・クーパー)とルーニー(ダニー・マスターソン)がやってきて、カールの人付きあいの悪さに陰口を言い去っていくという変な夢をみる。このままではいけないと自分を奮い立たせたカールは先日ニックから貰ったセミナーの冊子を思いだしセミナーに出かける。
セミナーではイエスの教祖的存在であるテレンス(テレンス・スタンプ)がイエスという言葉の大合唱と共に颯爽と登場する。テレンスはビギナー参加者であるカールに目をつけ彼の隣席にやってきて“イエスマン”につい諄々と説いた。そしてカールはテレンスからネガティブ思考を指摘され、今後一切“NO”と言わないよう誓いを迫られた。カールはテレンスの強引な言いっぷりに圧倒され、その場の雰囲気に押されるが、カールは“イエス”の誓いを立てるフリをしてその場をやり過ごした。
イエスのセミナーをきっかけにカールの人生に変化が・・
セミナーが終了し車で帰ろうとするとカールの元へホームレスがやってきて、エリシアン公園まで乗せて欲しいと言う。返答に困っていたカールの所に一緒にセミナーに参加していたニックがやってきて「もちろんイエスだろ?」と煽り付けた。雰囲気に流されカールは仕方なくホームレスを乗せると、今度は「ケータイ貸して?」や「お金貸して?」など、図に乗った要求を次々としてきた。「もうどうにでもなれ」とばかりにカールは彼の要求に全て“イエス”で受け入れた。
公園に着き、カールはホームレスを降ろし引き返そうとするが、途中で車がガス欠になり、仕方なくポリタンク片手に歩いて近くのガソリンスタンドへ。するとそこにスクーターに乗ったアリソン(ズーイー・デシャネル)が給油にやってきた。“イエス”セミナーの余韻で独り言をつぶやくカールを、もの珍しく感じたアリソンはカールの写真を撮った。彼女は写真が趣味だった。給油をしながら二人は会話を交わし気心を通わせる。給油を終えたカールはアリソンのスクーターに乗せてもらい車まで送ってもらうが、アリソンはスクーターを運転しながら片手運転でカメラを握り、夜の街を疾走する仲睦ましいふたりを自撮りした。
車の置いてある場所に着くと、カールはアリソンに恋心を囁き、アリソンはカールにキスをした。それからというもの、カールは美しいアリソンに出会えたのは“イエス”に参加した事で、ポジティブな考えを持つようになった自分の心の変化が幸運をもたらしてくれたものと思うようになり、次第に“イエス”の精神にのめり込んでいく。
イエスマン “YES”は人生のパスワードのレビュー・感想
気持ち的にとてもポジティブになれる映画です。大人に限らず小学生くらいの子供が観てもいいかなって思う映画ですが、ただ劇中カールと同じマンションに住むお婆さんとの下品な絡みがあるので如何なものかと?・・・
お婆さんの家の棚を作ってやったお礼は別な方法で表現して欲しかったですね(笑)。
この映画、自分の心の持ち方・考え方次第で人生は変わっていくという話ですがニックが「絶対後悔しないからセミナーに来い」とカールを啓発セミナーに誘いますが、カールは初めはその気にならない。ビジネスでも何でもそうですが、相手のためを思って言っているのに、相手がそれを理解してくれない事ってよくありますよね。たぶんそれは、その話が誰から来たのかという事がかなり関係しているように思います。
人生誰と出遭うか?何と出遭うか?というのはとても重要で、カールはニックと出遭い、“イエス”の精神を崇拝するテレンスのセミナーと出遭って大きく人生を変えました。巷では「〇〇すれば人生が変えられる」だとか「〇〇でお金の心配から解放!」みたいな話で溢れていたりするけれど、それらの中身の信憑性はともかく、どんなにいい話でも、その話が誰から来たのかというのが聞く人にとっては凄く重要で、どれほど凄い話であろうが、嫌いなやつから来た話なんて聞く気にもならないし、たとえ人生が変わる話だと分かったとしても「お前みたいな人間のフィルターを通して成功話を聞きたくない」というのが本音ではないでしょうか。だからこそ普段からの人との付き合い方って、凄く大切なんだって思います。
結局カールに“イエス”の話を持ってきてくれたニックという男の人間性がよかったからこそ、カールは耳のシャッターを開けたのだと思うし、自分のマインド次第で人生は変えられるという事を痛切に感じました。正にウイリアム・ジェイムズが言った
・心が変われば行動が変わる。
・行動が変われば習慣が変わる。
・習慣が変われば人格が変わる。
・人格が変われば運命が変わる”
といった所でしょうか。