プロバンスの圧倒的な美しさとほのぼのとしたラッセル・クロウの恋心
2006年製作 アメリカ 118分
監督
リドリー・スコット
キャスト
ラッセル・クロウ マリオン・コティヤール フレディ・ハイモア アルバート・フィニー トム・ホランダー
撮影ロケーション・情景
イギリスロンドン 金融トレーダー フランス南部プロヴァンス ワイナリー
プロヴァンスの贈りもののあらすじ
ロンドンで敏腕金融トレーダーとして働くマックス・スキナー(ラッセル・クロウ)は「休暇はトレーダーの恥」を信条とし、仕事一筋の人生を送っていた。ある日仕事から帰ったマックスが郵便物に目を通していると、疎遠になっていたプロヴァンスのヘンリーおじさんの死を知らせる手紙が届いていた。差出人はヘンリーおじさんの財産を管理するオーゼという公証人からで、遺言を20年以上書き換えていなかったため唯一の肉親であるマックスに相続を委ねたいという内容であった。
ヘンリーおじさんはプロヴァンスに古い農家とぶどう畑を所有していたが、ロンドンでの生活を基盤とするビジネスマンのマックスにとって古い農家とぶどう畑の相続には興味のない話であった。しかし、お節介な秘書にフランス行きの根回しをされ仕方なくマックスはフランスへと向かう。
真っ先に公証人オーゼを訪ねたマックスはヘンリーおじさんが自分にブドウ農園を継承してもらいたいと希望していた事をオーゼから聞くが、「ワイン生産者になる気はない」と断った。オーゼはワインづくりはデユフロに任せて週末だけプロヴァンスで過ごしたらどうかと提案するがマックスは「一刻も早く売却したい」と拒んだ。デユフロとはマックスが幼少の頃からぶどう畑をヘンリーより任され、手塩にかけてぶどうを育ててきた人物である。
そんなデユフロはぶどう畑を売却しようとしているマックスに「俺の生き甲斐を奪うのか!」と説得するがお金にしか興味のないマックスは聞く耳をもたなかった。そしてマックスはロンドンへ帰るまでに農家とぶどう畑の物件の情報をとってくるようにと不動産業者から指示されていたため、家屋や庭園の写真を撮ろうと隅々を歩き回るが、此処彼処に幼少の頃の懐かしい思い出が蘇り、売却の決心が徐々に揺らいでいく。そしてマックスはある女性と巡り合い徐々に本来の人間らしさを取り戻していく。
プロヴァンスの贈りもののレビュー・感想
アメリカ制作の映画としてはあまり馴染みのないフランスプロバンスが舞台となっています。敏腕ビジネスマンの遺産相続という金銭欲的な話ではありますが、プロバンスの圧倒的な美しさと主人公の恋心が相まってか、ほのぼのとした気持ちで観れるいい映画です。
この映画の中にロンドンに暮らす主人公が幼少の頃過ごしたプロバンスを訪れ、あちこち歩き回っているうちに幼少の頃を思い出し、なつかしがる場面が多々出てくるのですが、あれ身にしみてよく分かりますね。
田舎暮らしが嫌で故郷を離れていくという人も多いと聞きますが、僕もたまに実家に帰り、娘と自転車で周ったりすると、「ここで○○していたよなぁ」なんて色々な事を思い出しますね。まるで昨日の出来事のように。
「田舎が嫌い」と離れて行ってしまっても懐かしい思いでは決して消える事はないんですね。そういった事をこの作品は思い出させてくれます。
それとラッツセルクロウが超かっこいいですね。「スポッツウッド・クラブ」の時のような青っぽさもないし、昨今のような「ぶよぶよ感」もない。この映画の撮影が2006年だから当時42歳。正に心身ともに成熟したいい面構えです。
ちなみに過去、知人の結婚式に行く機会があって、その日出掛ける前にこの映画をたまたま観ていたのですが、いざ出かけようとフォーマルに着替えると、ラッツセルクロウのかっこ良さが映り込んでしまったのか、意気揚々と出かけたことを思い出します。まあ欧米人(ラッセルはニュージーランド出身)の身長と顔の小ささで等身比率が違いますから似ても似つきませんが(笑)