アデライン、100年目の恋

「過去恋愛の回想」などという簡単な言葉では片づけられない衝撃の展開

2015年製作  アメリカ  112分

監督

リー・トランド・クリーガー

キャスト

ブレイク・ライヴリー  ミキール・ハースマン  ハリソン・フォード  エレン・バースティン  キャシー・ベイカー  アマンダ・クルー  リンダ・ボイド  フルヴィオ・セセラ

撮影ロケーション・情景

サンフランシスコ ゴールデンゲートブリッジ イエローキャブ サーブ 過去恋愛の回想 イギリス郊外

アデライン、100年目の恋のあらすじ

1908年1月1日。サンフランシスコのとある小児病院でアデライン・ボウマン(ブレイク・ライヴリー)は生まれた。両親はフェイとミルトン。兄弟はいなかった。

アデラインが21歳になった1929年6月16日、彼女は母親とゴールデンゲートブリッジの建設工事の見物におとずれていた。その時、彼女の帽子が風で飛ばされ湾に流されそうになり、そこに偶然通りかかった若き技師クラレンスJブレスコットが帽子を拾い彼女に紳士的な気遣いをみせた。

それから87日後、二人はサンフランシスコの聖メアリー大聖堂で華やかな結婚式を挙げ、それから3年後、アデラインは女の子を出産した。赤子は彼女の父方の祖母の名前からフレミングと名付けられた。

1937年2月17日、ゴールデンゲートブリッジの工事が進められる中、足場の崩落事故が発生し作業員8人が命を落とした。アデラインの夫もその中の一人だった。

スリップ事故を機にアデラインに奇妙な現象が

夫の死から10か月後、アデラインは両親の海辺の別荘へ車を走らせていた。そこには5歳になった娘フレミングが待っていた。しかしその時、信じられない奇妙なことが起きる。それはまるで魔法のような出来事だった。温暖なカリフォルニアのソノマ郡に雪が降り、雪道に慣れていないアデラインはスリップ事故を起こしまい凍てつくような冷たい川に転落した。あまりの冷たさに彼女の身体は反射的に無酸素状態に陥った。

直ぐに呼吸は止まり、心拍も弱まった。2分もしないうちにアデラインの体温は30.5度まで急落した。そして彼女の心臓は鼓動を止めた。そしてしばらくすると稲妻が走り彼女の車を直撃。その稲妻は5億ボルトもの電気を放ち、6万アンペアという電流が流されたが、それは3つの効果をもたらす結果となった。

まず1つは電気エネルギーで彼女の心臓が復活した。そして2つ目に無酸素状態から解かれ、2分後には第一呼吸を引き起こした。そして3つ目は2035年にフォン・レーマン博士によって発見されるDNAの電子圧縮論のとおり、アデラインはこの時点から時間の経過による破壊作用を一切受けない受けない体となり、今後一切老いる事のない身体となる。

アデラインは年を経ても変わらぬ容貌の理由を「健康的な食事と運動、そして遺伝と運のお蔭」と周囲に説明していた。街で昔のクラスメイトと会っても、誰もがアデラインの変わらぬ若々しい姿に驚き、愛娘フレミングとは姉妹と間違えられるほどの美貌を保っていった。しかし1953年ある事件が起こった。

閑静な住宅街に住むアデラインは些細な交通違反で警官に呼び止められ運転免許証の提示を求められる。免許証に1908年生まれと記載されていた事でどう見ても45歳には見えない実年齢とのギャップに不信を抱いた警官は、免許証を取り上げ出生証明書を署に提出するよう求めた。

自分の正体が暴かれる事を察した彼女は直ちにサンフランシスコへ舞い戻り、身を隠すようにジェニー・ラーソンという偽名を使って医科大学の事務職に就いた。彼女は仕事上の立場を利用し、自分の体の状況について懸命に調べていった。一年間調べ上げた結果、ジェニーに突き付けられたのは彼女の体の異変は科学では説明のつかないという事実だった。

ある雨の降る夜、二人の男が「アデライン?」と声をかけた。FBIだった。彼女は「私はジェニー・ラーソン、人違いよ」と誤魔化すが、居住記録がないという理由から車に乗せられ連行される。本部へ連行するための飛行機が空港で待機していたが、捜査員2人が車を離れた隙に、彼女は車の後部座席を壊しトランクルームに抜け脱出した。彼女は裸足のまま必死に車から家へと逃げ帰った。「もうここにはいられない」と悟った彼女は手際よく荷物をまとめ、愛娘フレミングに別れを告げ逃亡を決心する。

そして彼女は二人の自由と安全のため誓った。その誓いとは、居場所を転々と移す事、名前も住所も容姿も10年毎に変える事、そしてこの事実を決して口外しない事だった。

逃亡生活から7週間後、彼女はジェニー・ラーソンの名前を捨て、今度はスーザン・フライシャーという名前を使いオレゴン州の農家に住まいを移した。以来彼女はたった一度の例外を除いて60年間誓いを守る事になる。

アデライン、100年目の恋のレビュー・感想

歳をとらないで永遠に若くいられるというのは女性からすれば一見羨ましい話。しかし今後一切老いる事のない現象がもし自分の体に起こり、いつまでも歳をとることが出来ないという立場に立たされた時の苦悩というものが、どんなに苦しいものかアデラインが悩む心の動きによく表れています。

アデラインを演じたブレイク・ライヴリーという女優さん、過去に「ゴシップガール」や「HICK ルリ13歳の旅」で見たことはありましたが、正直、図抜けて美人とは感じたことがなかったですが、この作品でのライヴリーは超綺麗で魅力的ですね。

また、この作品はラブストーリーであり、ちょっぴりミステリアスな部分も持つ作品ですが、この非現実的な物語のあらすじをこのサイトに纏める際、初めは描かれる展開のままあらすじを書いていたのですが、過去のプロットと現在の様子とが激しく織り交ざっているので、このままあらすじを書いていってもたぶん物語として話が繋がらなくなってしまうだろうなって思ったため、実際の展開を全く無視して、時系列であらすじを纏めた次第です。

なので、このあらすじだけを読んでも、大して面白みのないような映画に思えてしまうかもしれませんが、実際は過去の回想と現在とを上手に織り交えて編集されていますので、とても面白いミステリアスな内容に仕上がっています。そう考えると、映画ってホント、作り方次第だなあって、つくずく考えさせられてしまいます。

中盤を過ぎ、ハリソンフォードが出てくるあたりから、単に「過去恋愛の回想」などという、単純な言葉では片づけられない衝撃の展開が待っています。

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