70年代ラスベガスのカジノの裏事情を克明に描いた映画
1995年製作 アメリカ 178分
監督
マーティン・スコセッシ
キャスト
ロバート・デ・ニーロ シャロン・ストーン ジョー・ペシ ジェームズ・ウッズ ドン・リックルズ アラン・キング ケヴィン・ポラック フランク・ヴィンセント
撮影ロケーション・情景
70年代ラスベガス カジノ マフィア
カジノのあらすじ
“タンジール”の実質的なボスとなるギャンブルの神様
1970年代ラスベガス。当時ラスベガスを裏で支配していたのはトラック運転手年金協会を牛耳っていたマフィアの首領、リモ・ガッジである。彼は年金局長アンディ・ストーン(アラン・キング)と組み、巨大カジノ「タンジール」を建設しようとしていた。そこでカジノの経営責任者に白羽の矢を立てたのがカジノを知り尽くし“ギャンブルの神様”と称されたサム・ロススティーン、通称“エース”( ロバート・デ・ニーロ)である。
ある日、年金局長のストーンがエースに会い、その件を打診するがエースは過去に何度も賭博で検挙された経験があり、賭博免許など取れるはずがないと乗り気ではなかった。
しかしストーンは申請手続きをするだけで営業できるようにするといい、エースの経営方針には誰も口を出させない事も約束した。そうしてエースはタンジールの実質的なボスとして就任する。
運営責任者としてのエースの監視の目は鋭かった。カジノに出入りするイカサマ師を絶対に見逃さず徹底的に痛めつけカジノの大きな損失を防いだ。
その後もエースは絶大な手腕を発揮しタンジールの売り上げを飛躍的に伸ばしていく。
カジノのレビュー・感想
個人的な話になりますが、1996年、海外出張で初めてラスベガスへ行った時に感じた、魅惑的で煌びやかな、あの余韻に浸りたくて、このDVDを購入しました。この映画、実話という設定なんですが、映画に描かれるシチエーションが70年代という事で、今のラスベガスとは雰囲気が大分違う印象でしたが、当時のカジノの裏事情がよく解り、面白かったです。
そして綺麗なコーラスで奏でられるオープニングは、ラスベガスの派手派手しい表の顔とは裏腹に、暗黒街的な、別な顔のラスベガスを象徴しているかのようで、かなりシュールな気持ちになります。
エースのように完璧に仕事をこなせば、そりゃボスからの信頼も厚いだろうし、その点は見習うべきところが凄くあるなぁって感じます。エースの用心棒として派遣されたのがニッキー役のジョー・ペシですが、これは演技なのか?と思わせるくらい凶暴で、役によくハマっていますね。仕事をする男なら、ある程度自分の存在を誇示しなくちゃいけないのだろうけど、ニッキーのように“出過ぎた杭”になっちゃうと、最後はやっぱり消されちゃうんですね。普通の会社でも殺されはしませんが、突然“梯子を外される”なんていうのがありますからね。
長編にもかかわらず少しも飽きさせない展開の上手さ
総合的な感想としては、約3時間という長編にもかかわらず、少しも飽きさせない展開の上手さというか、とても面白い映画です。ただ終盤、ニッキーが弟のドミニクと一緒にトウモロコシ畑でリンチされ、殺害されるシーンがありますが、これは残酷すぎて、観ていて吐き気がするほど後味が悪いです。まあ、そこが巨匠マーティン・スコセッシの“味付け”なんでしょうが。
念のため言っておきますが、煌びやかな現代のラスベガスの情景や想い出に浸りたいと思う人が観る映画ではないですよ。