真の友情を綴ったフランスの実話
2011年製作 フランス 112分
監督
エリック・トレダノ
キャスト
フランソワ・クリュゼ オマール・シー アンヌ・ル・ニ オドレイ・フルーロ
撮影ロケーション・情景
フランス パリ 大邸宅 身障者 パラグライダー プライベートジェット
最強のふたりのあらすじ
スラム街育ちの黒人青年と富豪の障害者との出逢い
パリに住む富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)は過去パラグライダーで事故を起こし、頸髄損傷により首から下が麻痺し、自分の意思で身体を動かす事ができない障害者生活を強いられていた。
ある日フィリップの介護人を雇うために行われていた面接に黒人青年ドリス(オマール・シー)がやってくる。しかしドリスの目的は雇用ではなく面接を受ける事で継続される失業保険を貰うためのものだった。
そのためドリスはフィリップや秘書であるマガリー(オドレイ・フルーロ)らに敢えてぞんざいな態度で臨み、わざと不合格になるよう努めた。これで不合格になり、それを証明する書類が貰えると思ったドリスだったが、フィリップは事もあろうに他の候補者には目もくれず、飾り気のないドリスを気に入り、試用期間1ヶ月間という条件で彼を雇い入れる。
大邸宅であるフィリップ邸に、住み込みで働くことになったドリスは自分専用の個室を与えられ部屋には大きな風呂、トイレまで完備されるほどの豪華な部屋だった。複雑な家庭環境の中、スラム街での貧祖な暮らしをしてきたドリスは大きな喜びを示した。ドリスの働きぶりはフィリップにとって少々粗雑ではあったが、自分に対し哀れみの目で見ようとせず、一人間として接してくれるドリスにフィリップは心を許していく。
ドリスは身体的な世話もさることながら、フィリップの文通相手と会えるよう勝手にお膳立てをしたり、プライベートジェットで二人で旅行に出かけるなど、二人の友情は日に日に深まっていく。しかしそんなドリスにある日家庭的な問題が起こり、事情を知ったフィリップはドリスの雇用を止め、ドリスを自宅に帰す決心をする。
その後フィリップはドリスがいなくなった生活に心にポッカリ穴があいたようになり、虚しさを感じる日々を送ることになる。
最強のふたりのレビュー・感想
素晴らしい作品を買い付けてくれた配給会社に感謝
男の固い友情を描いたフランスの実話。フィリップとドリス以外の俳優陣たちはウィキにもページが存在していないくらい比較的マイナーな映画かもしれないけれど、こんな素晴らしい作品を買い付けてくれた配給会社に心からありがとうと言いたくなる心温まるいい映画です。
ドリスは飾り気のない天真爛漫な性格ですが、面接のときにドリスの人格を見抜いたフィリップの洞察力も鋭いし、素性や過去には囚われないフィリップの寛大さは男として見ていてかっこいい。
フィリップは大富豪だけれど、いくらお金があっても、やはり埋められないものってあるんですね。“物”だけでは決して満たされないものをドリスがフィリップに与えてくれた。フィリップが無精ひげを生やし、ドリスが戻ってきた事を知った時の嬉しそうな顔がとても印象的。フィリップにとってドリスはさぞ、かけがえのない存在だったんでしょう。
自分の利益に関係なく築ける“真の友情”
そして最後に、この映画の主人公であるフィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴと彼の車椅子を押す介護人アブデル・ヤスミン・セローの二人が登場し「彼らは今でも深い絆で結ばれている」というテロップが流れるんですが、この映画が実話というだけに、その映像には深い感動を覚えますね。自分の利益に関係なく築ける真の友情って素晴らしいです。