「親と子」どちらの立場から見ても「家族の幸せは何か」を考えさせられる映画
2009年製作 アメリカ 95分
監督
カーク・ジョーンズ
キャスト
ロバート・デ・ニーロ ドリュー・バリモア ケイト・ベッキンセール サム・ロックウェル
撮影ロケーション・情景
アメリカ東部郊外 ニューヨーク・ソーホー コロラド州デンバー イリノイ州シカゴ ネバダ州ラスベガス
みんな元気のあらすじ
電線の部材となるポリ塩化ビニール製作工場で永年働き定年を迎えたフランク(ロバートデニーロ)は最愛の妻を亡くしおとこやもめの状態に。そんな中唯一の心の支えとなっているのは独立し散り散りに暮らす子供たちへの想い。
ある日、週末に帰省することになった子供たちを喜ばせるために、スーパーで上等の肉やワインなどの食料品を大量に買い込み、バーベキューグリルを組み立てるなどその準備に精を出すフランク。しかしニューヨークで画家を志す次男デイビットがメキシコで麻薬事件を引き起こしその対応に子供たちは追われ「仕事が忙しく急遽帰れなくなったと」フランクに嘘をつく。子供たちに会えないと分かりぽっかりと心に穴が空いたフランクは「ならばこちらから」と自分が子供たちに会いに行く事を決心する。
肺線維症を患っているフランクは飛行機に乗ることができず、鉄道、バスを乗り継いで子供たちの元へ。ニューヨークで画家をしている二男のデイビット、シカゴの広告代理店で働く長女のエイミー、オーケストラの楽団で活躍する長男ロバート、ラスベガスでダンサーとして活躍する次女ロージーのもとを次々と尋ねて行く。
みんな元気のレビュー・感想
ロードムービーならではの情景が楽しめる
舞台背景が一都市集中型でなくロードムービーのため、旅の途中アメリカの様々な風景を楽しむことができます。
アメリカの住宅事情
男やもめのフランクではありますが、かなり潔癖症で綺麗好き。アメリカ映画でよく出てくる一般住宅ですが、清掃が行き届いており、男やもめのいわゆる“不潔さ”はみじんもありません。優に100坪以上はあるであろう庭の芝生や植木の手入れも怠らず、これがアメリカの中流家庭の暮らしぶりなのかと感心させられます。
一方、長女のエイミーの住宅はおそらく数百平米はあろうかと思われるモダンな大邸宅。日本でいえば超売れっ子芸能人や一流企業の社長でもなき限り到底住めないであろう物件。もし自分の娘がこんな大豪邸に住んでいたら「お前こんな大豪邸建てて大丈夫か?」と心配するところではありますが、この辺りの身分不相応さを感じさせないところがいかにもアメリカらしいです。
「親の目」「子供の目」どちらの目線から見ても家族の幸せは何かという事を考えさせられる映画
親というものは誰しも子供の幸せを願うもの。こうなって欲しい・・・こうあって欲しいと願うものですが、必ずしも親の思うようにはならない。子供は子供で自分なりの生き方や世界観をもっているし、決して親の押し付けで人生を歩ませてはいけないと思います。
でも、親というのは子供がいくら成長しても、小さいころの面影が写りこんでしまうものなのでしょう。そんなさりげない親心の葛藤を地味な演技ではありますが見事に醸し出すあたりはさすがデニーロは上手いですね。
「親の目」そして「子供の目」、どちらの立場からみても家族の幸せは何かという事を考えさせられる映画です。